12月終了講座


○人権館外講座「平和祈念資料館で映画を観よう」
『ラーゲリより愛をこめて』

日時:12月12日(金)14:00〜16:30 
場所:千里ニュータウンプラザ8階「吹田市平和祈念資料館」
参加者:13名(スタッフ3名含む)

千里ニュータウンプラザ2階のインフォメーション前で集合し、
全員で8階に移動した。
 第二次世界大戦終了間際の満州から物語は始まり、ソ連に捕虜と
して連行され、終戦後11年間にわたり捕虜として過酷な労働と
過酷な生活を強いられた人々を描いた映画である。
134分という長い上映時間であったが内容が重く、皆お手洗いに
行く時間も惜しく見入っていた。
 同じような映画やドキュメンタリー映画を見たように思うが、
今回の上映で新たに知ったことがあった。
 一つは軍隊時代の上官が捕虜になってからも、ソ連軍の命令では
あるが下級兵を殴りつけていたこと。もう一つはどんな過酷な状況
にあっても、少しでも楽しい時間を持とうと努力していた人がいたこと。
フィクションかもしれないが少し救われる思いがした。
一番の感動は亡くなった人の遺言を4人で分担し暗記して遺族に伝えたこと。
ソ連兵に全部取り上げられても頭の中のものは取り上げられないと
仲間に話していた山本さん(配役:二宮和也)の意思が報われたの
だと感動した。
 鑑賞後、資料館の展示物を見学し16時30分散会となった。
風が強く寒い日でしたが内容が良かったのに参加者が少なかった
のが残念でした。






○井戸端倶楽部 (共催:西山田地区福祉委員会)

 ●日時:令和7年12月11日(木)13:30〜15:00
参加者:20名
スタッフ:15名(ピアノ1名・トライアングル2名含)
合計35名                                           

午後1時30分〜 体操
午後1時40分〜ピアノ伴奏で「星の世界」「もろ人こぞりて」
     「喜びの歌」「世界は二人のために」
     ハーモニカ伴奏で 「夕焼け小焼け」「津軽海峡冬景色」
を歌った。 
お茶タイム         
午後2時5分〜午後3時パスケース作り
 最初に不要な紙(A4用紙の横、4センチ短くしたもの)で
 試し折りをした。
 説明書を見ながら、実際に折りながら説明を受け折っていったが、
 左右非対称・上下も対称ではなかったので難しかった。
 その後、皮(手帳の表紙の素材)に似た用紙で折っていった。
 折り方は練習したので理屈はわかっているが材料がしっかり
していてきっちり折れず皆であーだこうだと四苦八苦して作業を
行った。全員が出来上がり散会となった。


      


 
 ●日時:令和7年12月25日(木)13:30〜15:00
参加者:26名
スタッフ:14名(ウクレレ1名・トライアングル2名含)
合計40名
                                           
*椅子に座って体操
*歌(瀬波さんのウクレレ伴奏)
「井戸端クラブのテーマソング、北の宿から、いい湯だな、
赤鼻のトナカイ」
*歌(ハーモニカさんの伴奏)「母さんの歌、東京ラプソディ」
*特別ゲスト玉井さんと一緒にハーモニカ&ウクレレ「ふるさと」
*みんなでビンゴ大会
 とても盛り上がりました。
 たくさんあいてるのになかなかビンゴにならない人
 あっという間にビンゴになる人も居たり、
 景品もどれにしようかお喋りしながら決めていて、
 とても微笑ましかったです。
*ポチ袋作り
 好きな柄のセットを選んで作業開始。
 大小2種類を作っていきました。
 水引きもみなさん器用に作って、可愛いポチ袋が2つ出来上がりました.




〇季節の和菓子作り
 12月6日(土)14:00〜16:00  
講師:松本勝成さん
助手:松本和子さん
参加人数24名
申込開始すぐに定員になり、年齢も小学生からご年配まで幅広く、
皆さんの関心の高さが伺える講座でした。
課題は椿の練り切りと苺のフルーツ餅。
先生が見本を作りながら丁寧に解説してくれました。
見るのとするのはやはり違い、簡単に包んでるように見えても
はみ出たり足りなかったりと難しかったです。
練り切りは丸い形のあんこに、三角押棒や竹串で飾りをつけると
とても上品な椿の形になりました!
フルーツ餅はお餅が手につくので片栗粉をまぶしながら成形し、
しかも冷めるとお餅同士がくっつかなくなるので熱いうちに
包まなくてはならず時間との勝負でした。
失敗しそうでも先生と奥様が綺麗に修正して下さり、
皆さんとても素敵で美味しそうな練り切りと苺のフルーツ餅が
出来上がりました。
質疑応答もして下さり、とても有意義な時間を過ごす事が出来ました。
出来上がったお品物は食べるのが勿体なかったですが、
帰ってから美味しく頂きました!!

   



〇さあ開こう!歌の扉   
 12月10日(水)14:00〜15:30
 
毎月参加者が増え続けていて、今年最後の今回もたくさんの方が
参加してくださいました。
講師は、北後理恵さんです。 
ロシア民謡 「ともしび」 や、「冬の夜」 「冬景色」 など
季節の歌や、クリスマスの歌などを含めた10曲を教えていただきました。
冬景色」は、大正2年に尋常小学校5年生用に掲載された文部省唱歌です。
10曲目は、後ろの人にも声の響きを感じてもらえるように
全員起立して反対向いて歌いました。 
今回は「歌いたい歌」のアンケートを配布して、260曲の中から
3つから5つ選んでいただきました。 
また来年の選曲の参考にしたいと思います。  
北後先生、今年も楽しい時間をありがとうございました。
参加者78名でした。

  




〇英語を楽しみましょう! 12月20日(土)
講師:アイザック マクマナスさん

*初級クラス10:00〜10:50 参加人数26名
今回は英語のゲームで盛り上がりました。
1つ目は「Christmas Bingo」
クリスマス関連の単語を使い、ビンゴゲームをしました。
(例)
Christmas sweater=クリスマスセーター
snow globe=スノードーム
Holly=ヒイラギ、Reindeer=トナカイ
Snowflakes=雪の結晶など
揃った先着3名には先生からプチギフトが!
ゲームの合間には下記のフレーズを使った話し方も学びました。
「What was the best present you've ever received?」
「Wkat was the worst present you've ever received?」
(今までもらった中で、一番うれしかったプレゼントは何ですか?)
(今までもらった中で、一番困ったプレゼントは何ですか?)
「I got ?.」(?です。)
2つ目はパネルゲームをしました。
2つのチームに分かれて、16枚のパネルを交代ごうたいでチームから
1枚ずつ選びます。
選んだパネルには問題が、時には相手チームに点数を持っていかれて
しまうといったような内容もありました。
基本的には正解したら表示されているポイントが加算されていくと
いったもの。
(問例)What color was Rudolph's nose?」
(トナカイの鼻の色は?)
(答)redなど
皆さんとても楽しんでいらっしゃいました。

*上級クラス 11:10〜12:00 参加人数15名
こちらでも今回はビンゴゲームをしました。
ただし英単語ではなく、フレーズを用いて。
(例)
Deck the halls.(飾り付けをしよう。)
Christmas is just around the corner. (クリスマスはもうすぐそこだ。)
Christmas came early.(予定より早く嬉しいことが起きた。)
New year,new me.(新しい年、新しい自分。)
 などさすが上級クラス、ビンゴゲームも先生と色々な会話を
挟みながら進めていました。
ビンゴゲームのあとは与えられたトピックに基づいて会話をしていました。
とても盛り上がりますし他の方とも話しやすくなるきっかけにも
なるので、やはりゲームはいいですね!

    




○朝の切り抜きカフェ
 12月11日(木)10:30〜11:30

コーヒーを飲みながらいろんな話題で有意義な時間を過ごしました。
資料を持って来られない方もみんなの情報を聞いたり自分の経験話を
したり気軽に楽しめます。

 ★ 大阪府内の特殊詐欺などの被害が危機的状況の中、
   大阪府安全なまちづくり条例が改正された
 ★ 令和8年春までに自転車の違反に「青切符」が導入される
 ★ 吹田市報より 
  →全国の小学校6年生、中学3年生を対象に行われた学力調査
   で吹田市は、すべての教科で大阪府平均、全国平均を上回った
 ★ 80年前の12月8日に日本軍がパールハーバーを攻撃した
 ★ 加藤陽子の著書 『それでも日本人は「戦争」を選んだ』 
 ★ 朝日新聞より → 
   弁護士が差し入れた「私は取り調べを拒否します」と
   書かれたTシャツが没収され、国家賠償を求めた裁判が始まった
 ★ 朝日新聞より → 
   北海道の鈴木知事が泊原発の再稼働への同意を表明した

以上のような話題で今年最後の切り抜きカフェの終了となりました。  
10名の参加でした。





 
〇ほんのひろば (共催:山田駅前図書館山田分室)
12月13日(土)14:00〜16:00 (参加者:35名)
@図書館からの本の紹介
「冬・雪」をテーマに選んだ本を紹介していただきました。
・こぶたちゃんのそりあそび
・そりあそび
・まあばあさんのゆきのひピクニック
・ポッポーきかんしゃゆきさんぽ
・おんなじおんなじももんちゃん
・おおさむこさむ
・ぼくたちゆきんこ
・3びきのゆきぐま
・くろくまくんとしろくまくん
・おおゆきくまちゃん
子ども達はみんな大人しくお話を聞いていて、本の世界に入っているようでした。
A「すぎのこ」さんの人形劇
「トラとふえふき」
ある日、笛吹きが得意な木こりが山で仕事をしていると、
突然大きなトラが現れます。木こりは驚いて木の上に逃げますが、、、
子ども達は食い入るように、人形劇を楽しんでいました。

B工作
「紙あみのクリスマスツリー」を作りました。
細長く切った神とリボンを交互に編んできれいな模様を作り、
そこにツリーの形をくり抜いた紙を貼って、編み込み模様の
クリスマスツリーが出来ました。
最後は、思い思いのデコレーションをして、
個性豊かなクリスマスツリーがたくさん出来ました。

   




〇街の美術館めぐり 第7弾「久保修切り絵ミュージアム」
 12月18日(木)13:00〜16:00
 参加者17名

モノレール山田駅で集合しモノレールで蛍池へ移動、
阪急に乗り換え豊中駅で下車しました。
駅から5分ほどの歩くと、ダークブルーの「久保修切り絵ミュージ
アム」が現れます。
切り絵ミュージアムでは、日本古来の柿渋和紙に独自の手法を取り
入れた「切り絵画家 久保修」の作品を通して、日本の魅力・
素晴らしさを国内外に発信しています。切り絵を「観る」美術館と、
切り絵を「作る」ワークショップの両方が楽しめる、体験型施設です。
当日はスタッフを含め17名が参加し、先にミュージアムを見学し
ワークショップを体験する班と、ワークショップを体験してから
ミュージアム見学をする班の2班に分かれました。

◆ミュージアム見学
・常時展示
七十二候(しちじゅうにこう)が飾られています。
縦90p×横10mの大作です。七十二候とは二十四節気を更に約5日
おきに分けたものです。旬の食材、四季折々の風物詩などが表現され
ています。細部にもこだわった作品であり、季節の動植物が隠れて
いたりしているのを見つけると楽しくなります。
・季節ごとの大作
季節に合わせた2mの大型作品が展示されています。
春は「しだれ櫻」、夏は「菖蒲(アヤメ)」、秋は「天上の華
(曼珠沙華)」、冬は「椿流水図」。
今回は「椿流水図」が展示されていました。
大胆な構図の中に色鮮やかな椿の花がちりばめられ、とても目を
引く作品でした。
これら以外の作品も年に4回ほどの入替があり、季節に応じた作品が
展示されているそうです。現在は晩秋から冬をテーマにした作品が
展示されていました(今展の作品は、2026年3月2日まで展示予定)
湯気までも表現されたお鍋料理、軒下につるされた干し柿のある風景、
今では見る機会が少なくなった丸侭の新巻鮭、雪山やお正月の風景
など見ていてほっこりとなる作品がたくさんありました。

◆ワークショップ体験
1階「ワークショップ&カフェ」コーナーでは、久保修氏の下絵を
使用した切り絵体験ができます。当日の入館券を提示すれば無料で
体験できますので、来館の際には是非挑戦してみてください。
こちらの下絵も季節に合わせたものがあり、クリスマスやお正月を
連想するものがありました。20種ほどの下絵、輪郭として残す
画用紙の色、背景になる画用紙の色を選ぶだけでもワクワクしました。
みなさん、とても集中してカッターを走らせていましたが、
「美術館めぐりの講座はどれぐらいの頻度であるんですか」、
「ものを作るのは楽しいね」と口にしながら楽しんでおられました。
次の美術館めぐりの講座も楽しみにしていただきたいです。


  




〇第342回クラッシック・セミナー「土曜の午後の名曲喫茶」
 12月27日(土)13:00〜16:30
「J.シュトラウス生誕200年を記念して」 
 喜歌劇「こうもり」全3幕
講師 高橋一秀先生 由井さん 
参加者35名+スタッフ5名
こうもりの扮装で仮面舞踏会を楽しんだファルケ博士が帰り道で
すっかり酔いつぶれてしまい友人のアイゼンシュタインに道端に
放置され近所の子供たちにこうもりの扮装を笑いものにされ、
それから「こうもりは博士」と呼ばれるようになった。
恥をかかさせたファルケ博士はその復讐計画を立て実行すると
いう喜劇でした。
 主役であるアイゼンシュタイン夫婦のいざこざと脇役で登場する
キャラの濃い登場人物、特にお気に入りはフロッシュという刑務所
の看守がとても面白く、オペレッタとはいえ歌うシーンがないと
いう何とも不思議な役でした。見ていて台本にはないアドリブが
入っているのではというシーンが多々あり、カーテンコールでも
人一倍拍手をもらっていました。
年の瀬でしたがたくさんの方が来館されて今年の締めくくりに
ぴったりな講座となりました。今回が初めて参加されたという方も
いらっしゃって良かったです。
次回は1月24日14:00〜新春名曲コンサート「マーラー」です。

  



 〇漢字から読み解く萬葉集 
 特別編「大伴家持―新年を寿(ことほ)ぐ歌―」
12月6日(土)10:30〜12:00
31名参加
漢検漢字教育サポーター中西先生の特別講座の2回目です。
 萬葉集には「新年を寿ぐ歌」というのがあります。
それは天皇家の繁栄を祈るということでしたが、それらの歌の時代
背景や作者の立場までを含んで掘り下げて読んでみると決してそれ
だけではない、自らと、その家族の安泰を、あるいは切ない恋の
成就を和歌=言霊にして、新年には今年こそは必ず嘉い年であって
くれと祈ったのだということがわかります。
今回はこの新年の祈りを大伴家持の歌を中心に取り上げていただきました。

@大宮能 宇知尓毛刀尓毛 比賀流麻泥 零流白雪 見礼杼安可奴香聞     
おほみやの うちにもとにも ひかるまで ふれるしらゆき みれどあかぬかも

大宮の内にも外にも輝くほどに降り積もった白雪は見ても飽きないことでございます。

天平18(746)年正月、元正太上天皇の御在所に左大臣橘諸兄以下諸王、
諸臣が参上した。宴たけなわになり、降り積もった雪を見て元正天皇
がこの雪を歌に詠んで奏上せよと仰せられた。まず諸兄が詠み、次い
で4名が指名され順番に詠んでいった。トリが家持の歌で4人の歌が
連歌のようにつながり、吉野賛歌以来の祝詞である「見れど飽かぬ
かも」を結句に添えて見事に纏めている。
政治の実権は元正太上天皇のバックアップを受けた橘諸兄にあり諸兄に
近い家持にとっても安泰の時代で、この歌ものびのびと天皇参加を
歌い上げている
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A安之比奇能 夜麻能許奴礼能 保与等理天 可射之都良久波 知等世保久等曾
 あしひきの やまのこぬれの ほよとりて かざしつらくは ちとせほくとそ

山の梢のほよ(やどりぎ)を取って挿頭にしたのは、千年の長寿を
願って祝うからです。

天平勝宝2(750)年正月2日に越中国庁で国司である家持が天皇に
成り代わって郡司たちを招き、宴(肆宴とよのあかり)を催したとき
の歌。本来は元日だがなぜか2日。
 ほよは落葉高木に寄生する常緑の小低木で、生命力の強い木として
挿頭(かざし)として身に着けると長寿が得られると考えられていた。
そのほよを歌に詠み込み、天皇、諸兄他一同の長寿を予祝した。
前年2月に陸奥国で金を産出し、4月1日に聖武天皇が東大寺、
盧舎那仏に報告。その宣命中に大伴・佐伯氏で代々受け継がれてきた
家訓が引用され自身も従五位上となる。家持は非常に感激して5月に
は全107句からなる長歌を作り、天皇を讃え守護してきた大伴一族
がいかに名族であるかを高らかに詠い、一族にさらに天皇に忠誠を
尽くすよう鼓舞している。ところが、7月に聖武天皇が孝謙天皇に
譲位し、藤原仲麻呂が大納言となって橘諸兄を追い詰めていくのだ
が、まだ越中には政変の波は届かず家持は穏やかな新年を迎えられたのである。
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B牟都奇多都 波流能波自米尓 可久之都追 安比之惠美天婆 等枳自家米也母   
 むつきたつ はるのはじめに かくしつつ あひしゑみてば ときじけめやも 

正月になった春の初めにこうやって互いに笑い合うならば、時宜を得たことではないか。

 前の歌から3日後の5日、久米広縄の館でプライベートに催された宴で
詠んだ歌。気の合う者同士が笑いながら酒を酌み交わしたのだろう。
笑いは邪気を払い幸を招くとされた。
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C新  年之初者  方尓弥年尓 雪踏平之 常如此尓毛我    
あらたしき としのはじめは いやとしに ゆきふみならし つねかくにもが 

新しい年の初めは、毎年毎年このように雪を踏み鳴らして、
こうして集まりたいものだ。

Aの歌の翌年、天平勝宝3(751)年正月2日、瑞兆とされる深い雪を
踏みしめて大勢の人たちが家持の屋敷に参集し、宴が行われようと
している。都での政変の影響はまだ越中にまでは届かず、家持は
こんな穏やかな正月が毎年続けばよいのになあと詠っている。
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D落雪乎  腰尓奈都美弖  参來之   印毛有香   年之初尓
ふるゆきを こしになづみて まゐりこし しるしもあるか としのはじめに

降り積もった雪に腰まで埋もれて難儀して参上した甲斐がありましたね。
めでたいこの年の初めに。

前の歌の翌日に介内蔵忌寸綱麿(すけくらのいみきつなまろ)の館で
催された宴での歌。
吉兆とされる雪を腰まで埋まって難渋しながらやってきたことが
また縁起のよいことで、新年早々めでたいことだと詠っている。
この年の8月に少納言となって帰京するが、都では事実上の政権
トップである藤原仲麻呂による執拗な冷遇と迫害を受け左遷と復職
を繰り返すことになる。この歌は家持の穏やかな時代の終焉を告げる
歌となった。
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E始春乃  波都祢乃家布能 多麻婆波伎 手尓等流可良尓 由良久多麻能乎 
はつはるの はつねのけふの たまばはき てにとるからに ゆらくたまのを

初春の初子の今日の玉箒は、手に取るだけで揺れて音を立てる、
この玉飾りの緒よ。

 この歌の二年前の天平勝宝8(756)年2月に橘諸兄が失脚、5月には
聖武太上天皇が崩御、翌9年1月に橘諸兄が薨去すると、仲麻呂の
息のかかった大炊王(淳仁天皇)が立太子。7月には橘奈良麻呂の変が
起きる。反仲麻呂勢力によるクーデター計画であったが、直前に
計画が漏れて失敗。大伴氏からも多くの者が獄死や流罪となり、氏上である
家持とその一門にとって極めて深刻な事態となった。
この歌は翌年の天平宝字2(758)年
正月3日に催された肆宴のために予め用意された歌。
家持は初子の日に箒の先の玉が触れ合って妙なる音を立てるのは
瑞兆であるとして、貢献女帝の徳の高さを讃え、天皇家の繁栄を祈る
歌に仕上げている。
この自信作で失墜した大伴家の信頼を取り返そうとしたが、管轄の
仕事が忙しくて宴に出ることができず天皇に歌を奏じる事ができなかった
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F水鳥乃  可毛能羽伊呂乃 青馬乎   家布美流比唐波 可藝利奈之等伊布 
みづとりの かものはいろの あおうまを けふみるひとは かぎりなしといふ

水鳥の鴨の羽色の青馬を、今日正月七日に見る人は寿命が限りないという。

 初子の日から4日後の7日に行われる白馬の節会の宴で奏上しよう
と予め作っておいた歌。しかし7日には仁王会が行われ、白馬の節会
は前日の6日に肆宴だけが行われ、家持も列席したが、歌の内容が
そぐわないのでまたしても奏上することができなかった
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G打奈婢久 波流等毛之流久 宇倶比須波 宇惠木之樹間乎 奈枳和多良奈牟
うちなびく はるともしるく うぐいすは うゑきのこまを なきわたらなむ 

春とはっきり分かるように、ウグイスよ、植えた木の間を鳴き渡ってくれよ。

 前歌と同じ宴の席で即興で作った歌。
この時期にはまだ鶯は人里には降りてこない。前作と比べ、慌てて
作ったのか、いかにも凡庸だと評判が悪い。が、結局この歌も奏上
出来なかった(引込めた?)。
こうして家持の大伴家の名誉挽回の手立ては悉く失敗した。
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H新  年乃始乃  波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰
あらたしき としのはじめの はつはるの けふふるゆきの いやしけよごと

新しい年の初めの正月の今日降る雪のように、
ますます重なってくれ、嘉いことが。

 橘奈良麻呂の変(757年)による左遷人事で因幡国守に任じられた
家持が、天平宝字3(759)年正月1日に、因幡の庁舎で饗応の宴席を
設けて国や群の役人の前で詠んだ歌。
新年に降った雪に瑞兆を託しつつ、部下と共に前途を祝福した形式的
な歌であるが、「の」をもって続けた、伸々とした調べはこの歌に
相応しい、単なる新年の吉祥歌である。
この見方のほかに名門大伴氏の一員として、栄えある家系を負い
ながら次第に衰亡に追いやられ、先行きに不安を感じた家持が
「今年は何事も起こらずに安泰でいられますように」
と言霊に縋る気持ちで詠んだ歌として鑑賞できる。
(萬葉は深読みせず、そのままが良い)
「萬葉集」全巻末の歌で、家持の歌はこの後没するまで一首も
残されていない。
 孝謙天皇〜淳仁天皇〜称徳天皇(孝謙が重祚)の不遇の時代を経て、
光仁天皇〜桓武天皇の治世になるととんとん拍子に出世し、
延歴4(785)年8月薨去、享年推定68歳。
最終官位は中納言従三位であったが、翌月に起こった藤原種継暗殺
事件に大伴一族が多く関わり、家持がその首謀者(指示した)とされて
官籍から除名され、領地も没収。この時、万葉の原本もただの紙と
なって失なわれ、写本のみが残ることになった。後に恩赦により復位
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春愁三首 
I春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影にうぐいす鳴くも 

春の野に霞がたなびいていてもの悲しい。この夕方の光の中に鶯が鳴いているよ。

J我がやどのい笹群(むら)竹吹く風の音のかそけきこの夕(ゆふへ)かも

私の家のささやかな竹林を吹く風の音がかすかに聞こえるこの夕べだ。

Kうらうらに照れる春日(はるひ)にひばり上がり心悲しもひとりし思へば

のどかに照っている春の日中に雲雀が舞い上がり、心が悲しい。
ひとりで思っていると。

天平勝宝5(753)年2月、京に帰って3年目の厳しい環境にあって、
確執の中の心の不調を詠んだ家持の代表作。
萬葉集の域を出て、古今集の先駆けとなっている。
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 「額田王」に続く特別講座第二弾も、短時間で12首を時代背景、
作歌事情を通じて解説いただきました。
いつの時代もトップが変わり、華やかな時もあれば不遇を余儀なく
される時もある。昔は天皇家の血族争いが従者・歌人の将来に大きく
影響を与え、翻弄されながらもその中で優れた才能が発揮され、
良い歌が生まれる場合もあるのだと感じました。
 すでに第13弾が3月から始まることに決定!
春と共にどんな漢字と歌をご解説(読み解き)いただけるのか楽しみです。

 



〇日本語教室「西山田ああいうえお」

12月に入り寒さが厳しくなってきましたが、寒い国のご出身の方は
薄着で来られることも多く、「日本はそれほど寒くない」と感じて
おられるようです。
日本語教室ではマンツーマンでの授業を中心に、日常生活で困って
いることや、日本で暮らして感じた文化の違いなどを話題にしながら
学習を進めています。
教科書も使用し、学習者のレベルに応じた日本語の習得を支援しています。
12月は、来年1月の新年会に向けて、「雪やこんこ」を歌う練習
や、カルタの練習を行いました。